豪ドル/円相場は、82~84円のレンジで揉み合う展開に。11月7日の84.15円で豪ドル高・円安の流れは一服し、その後はリスク投資全体の地合悪化を反映して豪ドルが上げ幅を削る展開になっている。もっとも、本格的に値崩れを起こすには至っておらず、高値ボックス気味の相場展開になっている。
6日のオーストラリア準備銀行(RBA、豪中央銀行)金融政策決定会合では、政策金利を3.25%に据え置くことが決定された。マーケットでは追加利下げ観測も根強かったが、 「米国が緩やかな成長を記録する一方、中国の最近の指標は同国の成長が安定してきたことを示唆している」と指摘して、追加利下げは急ぐ必要が無いと判断した模様だ。9日発表の金融政策報告では、13年の成長見通しが従来の2.75~3.25%から2.25~3.25%まで下方修正されており、未だ追加利下げの可能性は払拭できない状況にある。年内追加りさげの可能性は後退しているが、来年1~3月期にも追加利下げが行われる可能性がある。ただ、現段階から追加利下げの可能性を織り込む必要は乏しく、手掛かり難から明確な方向性を打ち出しづらい状況に。20日にRBA議事録の公表があるため、そこで追加利下げの可能性を織り込めるか否かを改めて判断するステージになる見通し。基本的には追加利下げ観測を支持しないとみており、豪ドルの下落余地は限定されよう。
豪経済に関して決め手が乏しい中、他資産価格との連動性が強まり易い地合に。「財政の崖」の蒸し返しから米株式相場が上値の重い展開を強いられる中、豪ドル相場の下落余地は限定されよう。ただ、資源価格は総じて横ばい気味の展開になっており、当面は現行の価格水準での保ち合い継続を想定して、押し目買いスタンスで臨みたい。19~20日の日銀金融政策決定会合に向けて追加緩和を巡る思惑が強まれば、円サイドから豪ドル高・円安圧力が強まる可能性もあるが、メインシナリオとするのは難しい。
今後1週間の予想レンジは、82.00~84.00円。